2017年 04月 16日
いつも庭の花 |
「春の花で何が好き?」と訊かれたら、迷わず貝母百合と答えましょう。
「ばいもゆり」と読みます。 特段華やかでもなく、どちらかというと地味な部類に入るかもしれませんが、何故かこの楚々とした佇まいに惹かれているのです。
うつむいて咲くこの花は、そっともたげていた茎に付いた蕾を、4月の初めの或る日にそっと開かせるのです。 明日咲くね..... という気配も見せずに、本当にそっと咲くのです。 今年は春が少し遅く、先週くらいからようやく咲いて、やや盛りを過ぎたクリスマスローズとの競演を、やっと見せてくれたのです。
人間だけでなく、花にも相性というものがあるような気がします。
もっぱら個人の好みによるところが大きいのかもしれませんが、色、形、佇まい...... など、そのどれをとっても普遍的な美しさのバランスが、きっとあるに違いないのです。 そう言う意味で、私の春の庭はすこぶるそれに叶っているように思います。
むせ返るほど華々しく咲く庭が好きではありませんので、春とはいえ私の庭はおとなしいかもしれません。 けれど、それが落ち着いて好きなのです。
4月のある日、北の窓辺にしつらえた食卓には、クリスマスローズと貝母百合が必ずありました。 日常に、お客様の日に、食卓に花を欠かしたことはありません。
そして、それらはいつも庭の花たちなのです。 それが、私の幸せです。
今週の特別なお客様のために、明日も庭の手入れをします。
by galleryfabrile
| 2017-04-16 23:03
| 暮らしのこと
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