2017年 06月 30日
「光」ふたたび |
6月の最後の日は、いつもと少し違う感覚になります。
一年の半分が終わるんだという、感慨と焦り。 ちょうど半分の節目を意識するのですね。 いろいろあったと思う反面、時の経過の早さにうろたえる始末です。
梅雨の朝はどんよりとして、少し空気が重苦しいようでした。
湿った庭はさまざまな緑の葉を密生させて、光を反射するのですが、その美しさに、時折庭に佇んでしまうことがあります。 庭の光と影は、季節の気配を敏感に映しとって、私に見せてくれます。
今日、再び河瀬直美監督の「光」を観てきました。
10日ほど前、監督の事務所からのメールで、映画の上映後に5日間連続で、日替わりゲストとのトークイベントがあると連絡がありました。 最終日の今日、友人と2人で出かけることにしたのです。
二度目の鑑賞は、新たな気付きもいくつかありました。 この映画のスタッフとして関ったからではなく、より深い沈静と愛情が湧くのが感じられました。
今日のトークゲストは、宗教家の山折哲男さんでした。 視覚と聴覚のもたらす相関関係と神の在処、光と闇の深層を、山折さんの静かな語り口で語られ、私の心に深く染み入りました。
そして、サプライズのゲストとして、主演の永瀬正敏さんが急遽奈良入りして参加して下さいました。 お客様は大喜び!
熱演のエピソードを楽しく語ってくれました。
手前味噌な披露をさせて下さい。
昨年秋に奈良で撮影された「光」ですが、私は食事作りのスタッフとして加わり、一ヶ月間のハードな仕事に従事していました。 映画の現場は、決して文化的ではなく、ひたすら体育会系のハードさです。
けれど、そんな中で食事の持つ重要さを充分認識し、誇りを持って取り組みましたので、こうしてエンドクレジットにきちんと名前を入れていただきました。
これはパンフレットのクレジットですが、映画の最後に流れるエンドロールに自分の名前が出てきますと、やはり感慨深いものがありました。
苦労が多かった分、歓びもひとしおです。上映とトークが終わってロビーに出ますと「泉さん!」と声がかかりました。
炊事班のボランティアに来てくれていたHYさんでした。 久しぶりの再会を歓び合い、こうして一編の映画を通じて繋がれたことに、無類の幸せを感じました。
そして夜になって彼女がくれたメールにはこう書かれてありました。
「美味しく作ることだけでなく、食べる相手を想う心遣いや、良い素材やうつわの選び方など、泉さんの手仕事に魅了されました。」
こんな嬉しい言葉があるでしょうか! こつこつ信じてやって来たことが、若い人に通じたのです。
今日また、新たな光を見ました。 HYさん、ありがとう。
by galleryfabrile
| 2017-06-30 23:08
| 日々雑感
|
Comments(2)
Commented
by
hisae-18 at 2017-07-02 13:38
神戸では、夜の上映なので、まだ観に行けておりません。
いつかタイミングを見つけて、必ず観たい映画です。
エンドロールに泉さんの名まえを見つけたら、何だか私まで泣いてしまいそう。
素敵なやりがいのあるお仕事でしたね。
いつかタイミングを見つけて、必ず観たい映画です。
エンドロールに泉さんの名まえを見つけたら、何だか私まで泣いてしまいそう。
素敵なやりがいのあるお仕事でしたね。
0
Commented
by
galleryfabrile at 2017-07-03 01:21
hisaeさん、「光」是非ご覧下さい。 心にずんと染み入る作品です。
ご縁を得て、映画の仕事させていただきましたが、苦労の分だけ歓びのある仕事でした。
ああ、hisaeさんの美味しい空間に早く行かねば!
待ってて下さい、もうすぐ......
ご縁を得て、映画の仕事させていただきましたが、苦労の分だけ歓びのある仕事でした。
ああ、hisaeさんの美味しい空間に早く行かねば!
待ってて下さい、もうすぐ......