2022年 01月 28日
アンという名の少女 |
いつかのアメリカ土産にもらった「ドリームキャッチャー」は、ストーブ横のニッチにぶら下げられています。
ネイティブアメリカンの魔除けのお守りなのですが、今はお土産の民芸品として売られているようです。
いつも見ているものなのに、急にこのことを書きたくなったのは、今NHKで放送されている「アンという名の少女 3」のドラマのせいなのです。
このドラマは、L・M・モンゴメリの「赤毛のアン」の物語なのですが、しばしば原作とは大いにかけ離れたストーリーで、私たちファンを驚かせています。
けれど、ドラマとしてはとてもよくできていて、面白いのです。
当時のカナダの時事問題などがあちらこちらに散りばめられていて、田舎の小さな村にもいろいろな事件が起こります。
中でもジェンダー問題と並んでセンセーショナルなのは、先住民族への同化政策の問題です。 先住民の子どもたちは親や地域から引き離されて寄宿学校に入れられるのですが、そこでの扱いはひどいものだったようです。
どの国にも似たようなことはありますが、カナダのこの事実について何も知らなかった私は、子供達への虐待や尊厳のない扱いに驚きました。
近年になって、寄宿学校跡から子どもの遺体が何百も発見されたそうです。
ドラマの中でも女の子たちが髪を散切りにされていたし、アンが面会に行っても会わせてもらえなかったことを思うと、本当に胸の痛むことです。
今でも時々読み返すことのある「赤毛のアン」ですが、無邪気に憧れていた頃の自分と同じ子どもたちの過酷な運命を、知る由もありませんでした。
このドリームキャッチャーが持つ歴史と意味はどのようなものなのか..... もう少し知る必要がありそうです。
今はオレゴンに住む中学時代からの親友とも、よくアンの話で盛り上がるのですが、アンとダイアナの近くにもいろいろな問題があったんでしょうね。
ちなみに、好評だった「アンという名の少女」はシーズン3で打ち切りになったようですが、原因は先住民問題を取り上げたからだと言われています。 狭量な判断を残念に思います。 自分より下を作って満足する貧しさを、人はもっと知るべきですね。
ドリームキャッチャーから、ずっと遠くへ気持ちが飛んだ日でした。
#
by galleryfabrile
| 2022-01-28 22:09
| 日々雑感
|
Comments(0)