2015年 07月 09日
ピアノ椅子の張り替え |
このピアノ椅子、YAMAHAでもKAWAIでもないよね..... 外国のピアノかしら?
そんなひそひそ話が聞こえたのは、つい最近のカフェでの出来事でした。
3ヶ月前にわが家にやって来たピアノは、れっきとした日本製です。 以前にも書きましたが、映画作家の河瀬直美監督から譲り受けたものです。 「もがりの森」のテーマを奏で、映画のワンシーンにも登場したピアノは、わが家の居間にすっかり馴染み、あまりの自然さに気づかない人もいるほどなのです。
40年前のピアノは、まだまだいい音色を響かせていましたが、椅子はやはり消耗品とみえて、座面の臙脂色の布も脚もかなり傷んでいました。
ヴィンテージと言ってしまえばそうなのですが、味があるのとみすぼらしいのとは大違いですから、私はすぐさま椅子の張り替えを思いつきました。
依頼する職人さんはもうはなから決まっていましたので、早速「chair-kanda」の神田美穂子さんに連絡をとってお願いしました。 以前にもアームチェアーを甦らせてくれた美穂子ちゃんの腕に、全幅の信頼を置いていますので、布地を選んだ以外のディティールはすべてお任せして、仕上がりを待ちました。
果たして、古いピアノ椅子は見事に美しく甦りました。
マチを付けないカーブの仕上げは、とても難しいはずなのに、少しの皺もない美しさでした。 さすが、9年も謙虚に修業をしてきただけあって、30代前半の若さとは思えない腕前に、私はまたも感動したのでした。 古くなったものがぽいと捨てられることも珍しくない今、こうして甦る素晴らしさを間近で味わえたのですから。
私の推薦で、かの監督も息子の椅子を張り替えてもらい、いたく気に入って感激していました。 その椅子は、亡き養母の「うのばあちゃん」が愛用していたもので、今は息子のMちゃんが気に入って使っているものなのでした。 こうして連綿とストーリーが紡がれることに、私は素敵な意義を感じます。
この小さなピアニストの勇姿をご覧下さい!
美穂子ちゃんの一粒種、1歳のたいちゃんです。 ちょこんと座らせると、ひとりでに両手でピアノを弾き始めたのです。 お母さんの張り替えた椅子に座って、何と似合っていることでしょうか。
彼は、chair-kanda のトップセールスマンかもしれませんね!
by galleryfabrile
| 2015-07-09 22:57
| お気に入りのもの
|
Comments(2)
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by
まり
at 2015-07-10 11:32
x
ピアノチェアはエンジ色がポピュラーですが、
グレーって気品があって、凄くステキですね!
小さいボクちゃんの演奏写真にハートを射抜かれましたw
この年齢の子ども特有の横顔の輪郭がたまらなく可愛い!
実は、私の小さなリビングにもアップライトのピアノがあります。^^;
幼少期にピアノを習っていたこともあって、両親が思い切って購入してくれたものですが、結局まったくそちらの才能が開花せず(苦笑
ずっと実家に置いたままでしたが、今の部屋に引っ越す時に、思い切って引き取りました。
未だにまともに演奏出来ないのは変わりないのですが、ただの「楽器」ではなく、やはり思い出であり、両親から頂いた財産のようで、手放せません。
ほとんど弾かないくせに、年に1度のメンテナンスも続けています。そうすることで、私がダメでも、次の世代にバトンタッチ出来ると信じて…。
グレーって気品があって、凄くステキですね!
小さいボクちゃんの演奏写真にハートを射抜かれましたw
この年齢の子ども特有の横顔の輪郭がたまらなく可愛い!
実は、私の小さなリビングにもアップライトのピアノがあります。^^;
幼少期にピアノを習っていたこともあって、両親が思い切って購入してくれたものですが、結局まったくそちらの才能が開花せず(苦笑
ずっと実家に置いたままでしたが、今の部屋に引っ越す時に、思い切って引き取りました。
未だにまともに演奏出来ないのは変わりないのですが、ただの「楽器」ではなく、やはり思い出であり、両親から頂いた財産のようで、手放せません。
ほとんど弾かないくせに、年に1度のメンテナンスも続けています。そうすることで、私がダメでも、次の世代にバトンタッチ出来ると信じて…。
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galleryfabrile at 2015-07-11 00:53
そう、大切なものを繋いでゆくということが、どれほど素晴らしいことか......
こうしたものから教えられますね。
このピアノは、ここを訪れるどなたが弾いてもいいようにと思っています。
わが家の空間はなかなかの残響で、私も愉しんでいます。
ときには酒宴の鳴りものとして活躍していますが!
こうしたものから教えられますね。
このピアノは、ここを訪れるどなたが弾いてもいいようにと思っています。
わが家の空間はなかなかの残響で、私も愉しんでいます。
ときには酒宴の鳴りものとして活躍していますが!